***************** 名歌鑑賞 ***************


をりをりの これや限りも いく思ひ そのあはれをば
知る人もなし
                  京極為兼

(おりおりの これやかぎりの いくおもい そのあわれ
 をば しるひともなし)

意味・・逢ったその折にこれが最後かと何度も思った。
    その切ない気持ちは二人以外に誰も知らない
    ことだ。

    なんとか逢ってくれたが、これが最後でもう
    逢えないと思うと切ない。そんな切なさを幾
    たび味わったことか。

    逢えないのは周囲の反対のためか、それとも
    相手の愛情が薄れたためなのか。

作者・・京極為兼=きょうごくためかね。1254~1332。
    正二位権大納言。玉葉和歌集の撰者。

出典・・玉葉和歌集・1675。