************** 名歌鑑賞 ****************


眠くなりて ねむりし昼の しばしだに 命やすしと 
せめて思ふよ
                   大井広

(ねむくなりて ねむりしひるの しばしだに いのち
 やすしと せめておもうよ)

意味・・眠いままにしばらく昼寝をし、目覚めた思いは、
    このしばしの時間は、哀しみを忘れて、我が命
    に安らぎのあった時だと思う。
 
    嫌な事があったのだろうが、自然の要求に従
    って素直に眠った昼寝が、気持ち良い目覚め
    となり嫌な事も忘れて安らぎを感じています。

 注・・命やすし=いくら思い悩んでも解決出来ない
     ような問題を持っていて、昼寝をしたらそ
     の心地よさが、嫌な事を忘れさせてくれた
     ような状態。

作者・・大井広=おおいひろえ。1893~1943。京大文
    学部卒。立命館大教授。太田水穂に師事。

出典・・歌集「きさらぎ」(東京堂出版「現代短歌鑑
    賞事典」)