**************** 名歌鑑賞 ****************


秋の田の 穂の上に霧らふ 朝霞 何処辺の方に
我が恋ひ止まむ
                岩姫皇后

(あきのたの ほのえにきらう あさかすみ いつえの
 かたに わがこいやまん)

意味・・秋の田の稲穂の上に立ち込める朝霞は、いつか、
    いずこへともなく消え去ってしまいますが、私
    のせつない思いは、いつになったら消えてくれ
    るのかしら。

    夫の愛情が戻るのを待ち続けて来たが叶えられ 
    ない。悔しくて嘆きたくなってくる。

作者・・岩姫皇后=いわのひめのおおきさき。仁徳天皇
    の皇后。

出典・・万葉集・88。