**************** 名歌鑑賞 ***************


報復は 神がし給ふと 決めをれど 日に幾たびも
手をわが洗ふ
                 大西民子

(ほうふくは かみがしたまうと きめおれど ひに
 いくたびも てをわがあらう)

意味・・仕返しは神がなさると決めているけれども、
    自分にしみついた手の汚れ、自分の抱いてい
    る恨みや憎しみを洗い流そうとして、日に幾
    度も手を洗う。

    報復を思うなどということは、それ自身が悪
    い考えであり、心の汚れである。しかし、我
    が心は濁り手は汚れている。願わくは、我が
    心の受けた汚れ,憎しみを洗い流したい。

作者・・大西民子=おおにしたみこ。1924~1994。
            奈良女子高等師範卒。木俣修に師事。

出典・・東京堂出版「現代短歌鑑賞事典」。