**************** 名歌鑑賞 ****************


山県に 蒔ける青菜も 吉備人と 共にし摘めば
楽しくもあるか
                仁徳天皇

(やまがたに まけるあおなも きびびとと ともにし
 つめば たのしくもあるか)

意味・・煩(わずら)わしい宮中を逃れて、お前と二人、
    こうして山の畑に青菜を摘む楽しさ。この一時
    が永遠に続けばいいのに。

    「淡路島を視察に行ってくるぞ」と言って、嫉
    妬深い妻の磐姫皇后から逃れて、吉備の人であ
    る恋人の黒比売(くろひめ)に逢った時の歌です。

 注・・山県=山の畑。
    吉備=山陽地方の古代の名。岡山県と広島県の
     東部。砂鉄・塩の産地で栄えた。

作者・・仁徳天皇=仁徳天皇。西暦300年頃の天皇。「高
    き屋に登りて見れば煙立つ民の竈はにぎわいに
    けり」と詠んで善政を行ったことで有名。

出典・・古事記。