**************** 名歌鑑賞 **************


山にして 遠裾原に 鳴く鳥の 声の聞こゆる
この朝かも
               島木赤彦

(やまにして とおすそはらに なくとりの こえの
 きこゆる このあしたかも)

意味・・遠く広がっている裾野を見渡す山にいると、
    その裾野で鳴いている鳥の声が、ここまで
    聞こえて来る。なんと静かなこの朝なんだ
    ろう。 

 注・・山にして=山にあって。
    遠裾原=「裾原」は麓が長く延びて野原と
     なっている所。ここでは遠く延びた山裾
     の原。
    かも=詠嘆の助詞。

作者・・島木赤彦=しまきあかひこ。1876~1926。
    永野師範学校卒。大正期の代表歌人。

出典・・歌集「太虚集」。