**************** 名歌鑑賞 ****************


  その昔
  小学校の柾屋根に我が投げし鞠
  いかにかなりけむ
                           石川啄木

(そのむかし しょうがっこうの まさやねに わがなげし
 まり いかになりけん)

意味・・その昔のこと、小学生の私は小学校の柾屋根に
    向かって鞠を投げては、落ちてくるのを下で受
    け取って遊んでいた。それがどうしたわけか、
    下に落ちて来ず、そのままになってしまった事
    があった。あの鞠はその後どうなってしまった
    のだろうか。

    まりを投げては下で待っていた無心な子供の頃
    の気持ちがよみがえり、その頃を懐かしんでい
    ます。

 注・・柾屋根=木の薄板でふいた屋根。

作者・・石川啄木=いしかわたくぼく。1886~1912。26
     歳。盛岡尋常中学校中退。

出典・・歌集「一握の砂」。