*************** 名歌鑑賞 ****************


跡見れば 心なぐさの 浜千鳥 今は声こそ
聞かまほしけれ
               詠み人知らず

(あとみれば こころなぐさの はまちどり いまは
 こえこそ きかまほしけれ)

意味・・筆跡を見れば、心が慰みます。名草の浜の千鳥で
    はないが、今後は声を聞きたいものです。

    返事をしてくれなかった女の手紙をかろうじて貰
    うことができた時に詠んだ歌です。あなたの筆跡
    を見ると、心が慰められます。今後は直接お逢い
    して、あなたの声が聞きたいものです。

 注・・跡見れば=「千鳥の足跡」と「筆の跡」を掛ける。
    心なぐさの=「心慰む」と「名草の浜」を掛ける。
    名草の浜=和歌山市の南海岸。

出典・・後撰和歌集・635.