**************** 名歌鑑賞 ***************


たのしみは 妻子むつまじく うちつどひ 頭ならべて
物をくふ時
                    橘曙覧

(たのしみは めこむつまじく うちつどい かしら
 ならべて ものをくうとき)

意味・・「いただきまあす!」妻子たちが一人も欠ける事
    なく、一家全員が寄り集まり、仲良く頭を並べて
    箸をとり、食事が始まる。話がはずむ、笑いがこ
    ぼれる。嬉しいねえ、ありがたいねえ。質素な夕
    餉ではあるが、一家団欒の風景である。こんな時、
    なんとも言えず楽しく幸せな気分になるのは。

作者・・橘曙覧=たちばなあけみ。1812~1868。早く父
    母と死別。家業を異母兄弟に譲り隠棲。福井藩の
    重臣と交流。

出典・・独楽吟。