*************** 名歌鑑賞 ****************


ほど経れば 同じ都の 内だにも おぼつかなさは
問はまほしきを
                西行

(ほどふれば おなじみやこの うちだにも おぼつかな
さは とわまおしきを)

意味・・長く逢わないで時が経つと、同じ都にいてさえ、
    気になって安否を問いたくなるものなのに、遠く
    都を離れたらなおさら気掛かりになるだろう。

    旅に出る前に詠んだ歌です。都を離れて遠く旅立
    つ折りの心情を込めています。

 注・・ほど=時間、距離。
    おぼつかなさ=心配だ、不安だ、気掛かりなこと。

作者・・西行=さいぎょう。1118~1190。

出典・・山家集・1091。