*************** 名歌鑑賞 ****************
うらさぶる 心さねまし ひさかたの 天のしぐれの
流れ合う見れば
長田王
流れ合う見れば
長田王
(うらさぶる こころさねまし ひさかたの あめの
しぐれの ながれあうみれば)
しぐれの ながれあうみれば)
詞書・・和銅五年夏四月長田王を伊勢神官に派遣され
た時、山辺の御井で作った歌。
た時、山辺の御井で作った歌。
意味・・寂しい思いが胸一杯にひろがる。大空のあち
こちからしぐれがはらはらと降り続けるのを
見ていると。
こちからしぐれがはらはらと降り続けるのを
見ていると。
結婚出来ない神官を寂しい思いで見つめてい
ます。
しぐれは晩秋から初冬のもので、夏四月の景
ではない。旅愁を表すのに、この歌の寂しさ
を利用したもの。旅先では土地の物を褒める
歌と旅愁を述べる歌がよく詠まれた。
ます。
しぐれは晩秋から初冬のもので、夏四月の景
ではない。旅愁を表すのに、この歌の寂しさ
を利用したもの。旅先では土地の物を褒める
歌と旅愁を述べる歌がよく詠まれた。
注・・うらさぶる=心が晴れない、心さびしく思う。
さねまし=さ・あまねし。「さ」は接頭語。
すみずみまで行き渡っている。
ひさかたの=天・雨・月などに掛かる枕詞。
しぐれ=秋から冬に降ったり止んだりする
小雨。
流れ合う=雨が降るの意。
和銅五年=712年。
神官=斎宮(いつきのみや)。神官には未婚の
皇女が天皇の御代ごとに選ばれ神に奉仕し
た。この間は結婚できない。ここでは神官
のいる場所のこと。結婚出来ない神官を寂
さねまし=さ・あまねし。「さ」は接頭語。
すみずみまで行き渡っている。
ひさかたの=天・雨・月などに掛かる枕詞。
しぐれ=秋から冬に降ったり止んだりする
小雨。
流れ合う=雨が降るの意。
和銅五年=712年。
神官=斎宮(いつきのみや)。神官には未婚の
皇女が天皇の御代ごとに選ばれ神に奉仕し
た。この間は結婚できない。ここでは神官
のいる場所のこと。結婚出来ない神官を寂
しい思いで見ている。
山辺の御井=三重県の鈴鹿市山辺町付近。
山辺の御井=三重県の鈴鹿市山辺町付近。
作者・・長田王=ながたのおおきみ。?~737。近江
守・正四位下。風流を解する人として知られ
る。
出典・・万葉集・82。
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