*************** 名歌鑑賞 ***************


咲きにけり くちなし色の 女郎花 言わねどしるし 
秋のけしきは
                 源縁法師
               
(さきにけり くちなしいろの おみなえし いわねど
 しるし あきのけしきは)

意味・・咲いたことだ。くちなし色の女郎花の花が。口に
    出して言わないけれど、はっきりしてきたものだ。
    秋の気配が。

 注・・くちなし色=赤味がかった濃い黄色。「口無し」
     の意を掛ける。
    しるし=知るし。わかる、感じる。

作者・・源縁法師=げんえんほうし。生没年未詳。比叡山
    の僧。
 
出典・・金葉和歌集・169。