*************** 名歌鑑賞 ****************


すみだ川 舟呼ぶ声も うづもれて 浮霧深し 
秋の夕浪
                 清水浜臣
            
(すみだがわ ふねよぶこえも うずもれて うきぎり
 ふかし あきのゆうなみ)

意味・・舟を呼ぶその声もその中に埋もれてしまうほどに、
    川波の上に一面にかかる霧が深い、隅田川の秋の
    夕暮れの景色は。

 注・・浮霧=空中に浮いているように見える霧。

作者・・清水浜臣=しみずはまおみ。1776~1824。江戸
    の医家に生まれ、医を継ぐ。
 
出典・・泊洦舎集・(さざなみのやしゅう)(福武書店「名歌
    名句鑑賞辞典)