*************** 名歌鑑賞 ****************


忘れじな 難波の秋の 夜半の空 こと浦に澄む 
月は見るとも
                宣秋門院丹後
 
(わすれじな なにわのあきの よわのそら ことうらに
 すむ つきはみるとも)

意味・・忘れないつもりです。この難波の浦の秋の夜の空
    のことは。たとえ将来、他の浦に住み、そこに澄
    んだ月を見るようになっても。

 注・・忘れじな=「じ」は打ち消しを表す語。「な」は
     詠嘆の語。忘れまいよ。
    難波の秋=難波の浦の秋。難波の浦は大阪市の海
     辺の古称。
    こと浦=違う浦。他の浦。
    澄む=住むを掛ける。

作者・・宜秋門院丹後=ぎしゅもんいんのたんご。生没年
    未詳。1207年頃の人。後鳥羽院中宮の女房(女官)。
 
出典・・新古今和歌集・400。