*************** 名歌鑑賞 ****************
八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね
秋は来にけり
恵慶法師
(やえむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそ
みえね あきはきにけり)
秋は来にけり
恵慶法師
(やえむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそ
みえね あきはきにけり)
意味・・幾重にも葎(むぐら)の生い茂る寂しいこの家に、
人は誰も訪れて来ないが、秋だけはいつもと変
わらずにやって来た。
人は誰も訪れて来ないが、秋だけはいつもと変
わらずにやって来た。
詞書に「河原院にて、荒れた宿に秋の心を詠む」
とあります。
河原院は、源融(とおる)左大臣が建てた雅(みや
び)やかで豪華な邸宅であったが、融の没後は荒
れ果ててしまった。
華やかな過去を思い出しながら、時の推移と共に
現在の荒廃した姿の哀れさを詠んでいます。
とあります。
河原院は、源融(とおる)左大臣が建てた雅(みや
び)やかで豪華な邸宅であったが、融の没後は荒
れ果ててしまった。
華やかな過去を思い出しながら、時の推移と共に
現在の荒廃した姿の哀れさを詠んでいます。
注・・八重葎=幾重にも茂った葎。「葎」はつる性の草。
荒廃した邸(やしき)などに茂る。
源融=みなもとのとおる。822~895。陸奥国塩釜
の風景を模して作庭した六条河原院を造営。
荒廃した邸(やしき)などに茂る。
源融=みなもとのとおる。822~895。陸奥国塩釜
の風景を模して作庭した六条河原院を造営。
作者・・恵慶法師=えぎょうほうし。生没年・経歴未詳。
10世紀後半の人。
出典・・拾遺和歌集・140、百人一首・47。
10世紀後半の人。
出典・・拾遺和歌集・140、百人一首・47。
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