*************** 名歌鑑賞 ****************


今朝の朝明 雁が音聞きつ 春日山 もみちにけらし
我が心痛し 
                 穂積皇子

(けさのあさけ かりがねききつ かすがやま もみちに
 けらし わがこころいたし)

意味・・今朝の明け方、雁の鳴く声を聞いた。もう春日山
    は紅葉したらしい。雁の声を聞くにつけても、春
    日の紅葉を思っても、私の胸は痛む。

    もう雁の鳴く季節になり、紅葉する秋になった。
    この時にまで自分の志を成し遂げたいと思ってい
    たのに、それが出来ていない。私の心は痛んでく
    る。
    この歌の場合、但馬皇女(たじまのひめみこ)との
    悲恋といわれている。
    
作者・・穂積皇子=ほずみのみこ。天武天皇の第五皇子。
    715年没。

出典・・万葉集・1513。