*************** 名歌鑑賞 ****************
浮草の ひと葉なりとも 磯隠れ 思ひなかけそ
沖つ白波
詠み人知らず
沖つ白波
詠み人知らず
(うきくさの ひとはなりとも いそがくれ おもい
なかけそ おきつしらなみ)
なかけそ おきつしらなみ)
詞書・・不偸盗戒(ふちゅうとうかい)
意味・・浮き草の一葉でも、磯に隠れて欲しいと思う
な、沖の白波よ。
な、沖の白波よ。
たとえ浮草の葉一枚といったわずかな物でも、
こっそり隠れて人の物をかすめ取ろうといっ
た考えを起こしてはならないよ、盗人よ。
こっそり隠れて人の物をかすめ取ろうといっ
た考えを起こしてはならないよ、盗人よ。
注・・浮草のひと葉=わずかな物でも、という意を
暗示。
磯隠れ=こっそりと、という意味を暗示。
思ひなかけそ=「思ひかけ」はここでは欲し
いと思うこと。「な・・そ」は禁止の表現。
沖つ白波=盗賊のこと。中国の「後漢書」に、
白波谷に賊がこもっていたという故事から
山賊や海賊を「白波」という。
不偸盗戒(ふちゅうとうかい)=盗みをしない、と
いう戒め。
暗示。
磯隠れ=こっそりと、という意味を暗示。
思ひなかけそ=「思ひかけ」はここでは欲し
いと思うこと。「な・・そ」は禁止の表現。
沖つ白波=盗賊のこと。中国の「後漢書」に、
白波谷に賊がこもっていたという故事から
山賊や海賊を「白波」という。
不偸盗戒(ふちゅうとうかい)=盗みをしない、と
いう戒め。
出典・・新古今和歌集・1963。
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