*************** 名歌鑑賞 ***************


山かひの 秋のふかきに 驚きぬ 田をすでに刈りて 
乏しき川音
                中村憲吉
              
(やまかいの あきのふかきに おどろきぬ たを
 すでにかりて とぼしきかわおと)

意味・・山峡の小村に訪れた秋の深さ・・ものの活気
    が衰え、元の力や姿が失われる秋・・に驚か
    される。一面に刈り尽くされた田の面の寂し
    さ、水のやせた川音の乏しさに。

作者・・中村憲吉=なかむらけんきち。1889~1934。
    東京大学経済学科卒。斉藤茂吉・土屋文明ら
    と親交を結ぶ。

出典・・歌集「しがらみ」(藤森明夫著「近代秀歌」)