*************** 名歌鑑賞 ****************


冬の来て 山もあらはに 木の葉降り 残る松さへ
峰に寂しき       
                  祝部成茂

(ふゆのきて やまもあらわに このはふり のこる
 まつさえ みねにさびしき)

意味・・冬が来て、山も地肌がはっきりと見えるまでに
    木の葉が散り、散らないで残っている松までも
    峰に寂しく見えることだ。

    全山、紅葉が散りつくし、地肌があらわになっ
    た中に残る松。そこに見た寂しさを詠んでいま
    す。

 注・・あらは=丸見えであるさま。

作者・・祝部成茂=はうりべのなりもち。1180~1254。
    丹後守・従四位。

出典・・新古今和歌集・565。