風吹けば 峰にわかるる 白雲の 絶えてつれなき 
君が心か   
                壬生忠岑

(かぜふけば みねにかかるしらくもの たえて
 つれなき きみがこころか)


意味・・風が吹くと峰から離れて行く白雲が吹き
    ちぎられて絶えてしまう、その「絶えて」
    のように、あなたとの関係がすっかり途
    絶えてしまった。なんとつれないあなた
    の心であろうか。

    切ない恋を詠んだもので、通じない我が
    思いを嘆き、自分に無関心な相手の女性
    を悔しく思う気持を詠んでいます。

 注・・たえて=「絶える」と「たえて(まったく
     の意)」を掛ける。
    つれなき=無情だ。
 
作者・・壬生忠岑=みぶのただみね。生没年未詳。
    古今集の撰者の一人。
 
出典・・古今和歌集・601。