*************** 名歌鑑賞 ****************


わたの原 波にも月は 隠れけり 都の山を
何いとひけん         
                      西行

(わたのはら なみにもつきは かくれけり みやこの
 やまを なにいといけん)

意味・・海路の旅では山のように高くない波にも、
    月は隠れてしまった。それなのにどうして
    都の山を月を隠すといっていやになったの
    だろう。

    西行が厭世気分になり出家直後の気持ちを
    詠んだ歌です。青い鳥(幸せ)は身近な所に
    いるという事を詠んでいます。

 注・・わたの原=大海、海原。
    波にも=遮る山もない海上の波にも。
    いとふ=嫌う、世を避ける。
    厭世(えんせい)=希望をなくし生きるのが
     嫌になること。

作者・・西行=1118~1190。鳥羽院の北面武士で
    あったが、23歳で出家。新古今集に一番
    多く入首。
 
出典・・山家集・1102。