*************** 名歌鑑賞 ****************


思ひきや わがしきしまの 道ならで うきよのことを
とはるべしとは     
                   藤原為明

(おもいきや わがしきしまの みちならで うきよの
 ことを とわるべしとは)

意味・・思ったであろうか、いや思いもかけなかった
    ことだ。自分が家の職としている和歌の道の
    ことではなく、こんな世俗的なことで尋問さ
    れようとは。

    1331年後醍醐天皇の鎌倉幕府討伐の議に参加
    した嫌疑で拘引された時に詠んだ歌です。
    この歌を見て北条則貞は「感歎肝に銘じけれ
    ば、涙を流して理に伏し」、ために「咎なき
    人」になったという。

 注・・しきしまの道=敷島の道。和歌の道。歌道。
    うきよ=俗世間。

作者・・藤原為明=ふじわらのためあき。1295~1364。
    正二位権中納言。後醍醐天皇の北条氏討伐の議
    に参加した嫌疑で拘引された。

出典・・太平記。