名歌名句鑑賞

心に残る名言、名歌・名句鑑賞

2008年03月

青梅や 島といえども 国分寺  角川源義(かどかわげんぎ)

(あおうめや しまといえども こくぶんじ)

意味・・見るものは青梅しかないただの島だが、立派な
    国分寺が建っているものだなあ。昔は重要な島
    だったのだろうか。

    鳥取県の隠岐(おき)の島の国分寺を読んだ句。
    国分寺は奈良時代に国家の平安を祈るために
    諸国に建てられた。隠岐は大陸との交流があ  
    り重視されていた。また、後白河法皇がここ
    に島流しにされた。

年経たる 宇治の橋守 こと問はん 幾代になりぬ 水の水上 
               藤原清輔(ふじわらきよすけ)

(としへたる うじのはしもり こととわん いくよになりぬ 
 みずのみながみ)

意味・・年老いた宇治の橋守に尋ねよう。どれほどこの世を
    経てしまったことか。この澄んだ水の流れは。

    河水久澄(川の水が久しく澄んで流れ続ける)の題で
    詠んだ歌です。
    繁栄したした時代が永く続いている事はめでたい事だ
    という気持です。

宇治の川瀬の 水車 何とうき世を めぐるろう  (閑吟集)

(うじのかわせの みずぐるま なんとうきよを めぐるろう)

意味・・宇治川の川瀬にかけた水車は、うき世をどんな
    ものだと思いを巡らして回っているのだろう。

 注・・うき世=浮き世(この世)と憂き世(つらいことの
        絶えない世)を掛ける。
    めぐる=「回る」と「巡る」を掛ける。

石川や 瀬見の小川の 清ければ 月も流れを 尋ねてぞすむ 
                鴨長明(かものちょうめい)

(いしかわや せみのおがわの きよければ つきもながれを
 たずねてぞすむ)

意味・・賀茂神社がある石川の瀬見の小川の流れが
    清らかなので、月もこの流れを探し求めて澄ん
    だ影を映している。

 注・・石川や瀬見の小川=賀茂川の異名。

惜しめども たちもどらず ゆく春を 勿来の関の せきとめなむ 
                   内田康夫(うちだやすお)

(おしめども たちもどらず ゆくはるを なこそのせきの
 せきとめなん)

意味・・惜しまれるうららかな春はどんどん過ぎ去ろうと
    している。来るのを邪魔立てするという勿来の関
    よ、そこでこの世の春を堰留めてほしいものだ。

 注・・勿来=来るな。間をへだてて邪魔をする物。
    せき=堰

このページのトップヘ