名歌名句鑑賞

心に残る名言、名歌・名句鑑賞

2008年07月

夕立の まだ晴れやらぬ 雲間より おなじ空とも 
見えぬ月かな           俊恵法師(しゅんえほうし)

(ゆうだちの まだはれやらぬ くもまより おなじそらとも
 みえぬつきかな)

意味・・夕立が降ったばかりの雲の間より、
    今夕立を降らした空とも思えない
    ような美しい月が見えることだ。

駒とめて なほ水かはむ 山吹の 花の露添う 
井出の玉川          藤原俊成(ふじわらとしなり)

(こまとめて なおみずこわん やまぶきの はなのつゆ
 そう いでのたまがわ)

意味・・馬を止めてやはり水を飲ませよう。山吹の
    花の露が加わる井出の玉川で。

    岸一体が明るい山吹の花。花から光こぼれる
    露。その露の加わった流れ。去りがたく馬が
    水を飲む間、美しい山吹の花を眺めていよう
    という心です。

 注・・水かはむ=水飼(こ)はむ。水を飲ませよう。
    井出の玉川=京都綴喜(つづき)井出町を流れ
     る川。

出典・・新古今和歌集・159。

あはれにも みさをに燃ゆる 蛍かな 声立てつべき
この世と思ふに         源俊頼(みなもととしより)

(あわれにも みさおにもゆる ほたるかな こえたてつ
 べき このよとおもうに)

意味・・いとしくも平然と燃える蛍だなあ。苦しさに
    悲鳴をあげてしまいそうなこの世だと思うのに。

 注・・あはれ=いとしい、ふびんだ。
    みさを=平気なこと。

夏河を 越すうれしさよ 手に草履  蕪村(ぶそん)

(なつかわを こすうれしさよ てにぞうり)

意味・・流れも浅い夏の川を、手に草履を持って
    はだしで渡ってみる。底砂の冷たい感触
    も快く、このような水遊びが出来ること
    に嬉しくなってくる。

沢水に 空なる星の うつるかと 見ゆるは夜半の 
蛍なりけり       藤原良経(ふじわらよしつね) 

(さわみずに そらなるほしの うつるかと みゆるは
 よわの ほたるなりけり)

意味・・沢の水面に空の星が映っているのかと
    思ったら、星ではなくて夜半の蛍であった。   

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