仕へつる この身のほどを 数ふれば あはれ木末に
なりにけるかな 藤原頼宗(ふじわらのよりむね)
(つかえつる このみのほどを かぞうれば あわれ
こずえに なりにけるかな)
詞書・・例ならぬ事ありて煩(わず)ひけるころ、上東門院
に柑子奉(たてまつ)るとて人に書かせて奉りける。
意味・・長い間、木の実を奉りなどしてはお使えしてきた
この身の年月を数えると、木の実が梢に成るよう
に、なんと老いの末になってしまったことだ。
木の実を毎年送って来たことの繰り返しが、仕え
て来た歳月の長さと、知らぬ間の老年を気づかせ、
作者の感慨を詠んでいます。
注・・煩ひける=病気になり臥(ふ)せる。
上東門院=藤原彰子。988~1074。87歳。道長の娘。
一条天皇の中宮。
柑子奉る=毎年定期的に柑子(ミカンの類)を送る。
この身=自分自身の意に、「木の実」を掛ける。
木末=木の実の成る梢に、老年の意の末を掛ける。
作者・・藤原頼宗=992~1074。83歳。道長の子。太政大臣
従一位。
なりにけるかな 藤原頼宗(ふじわらのよりむね)
(つかえつる このみのほどを かぞうれば あわれ
こずえに なりにけるかな)
詞書・・例ならぬ事ありて煩(わず)ひけるころ、上東門院
に柑子奉(たてまつ)るとて人に書かせて奉りける。
意味・・長い間、木の実を奉りなどしてはお使えしてきた
この身の年月を数えると、木の実が梢に成るよう
に、なんと老いの末になってしまったことだ。
木の実を毎年送って来たことの繰り返しが、仕え
て来た歳月の長さと、知らぬ間の老年を気づかせ、
作者の感慨を詠んでいます。
注・・煩ひける=病気になり臥(ふ)せる。
上東門院=藤原彰子。988~1074。87歳。道長の娘。
一条天皇の中宮。
柑子奉る=毎年定期的に柑子(ミカンの類)を送る。
この身=自分自身の意に、「木の実」を掛ける。
木末=木の実の成る梢に、老年の意の末を掛ける。
作者・・藤原頼宗=992~1074。83歳。道長の子。太政大臣
従一位。