岩代の 結べる松に ふる雪は 春もとけずや
あらんとすらむ
中納言女王
(いわしろの むすべるまつに ふるゆきは はるも
とけずや あらんとすらん)
意味・・岩代の結び松に降る雪は、その名の通り結ばれた
まま、春になっても解けないのだろうか。
あらんとすらむ
中納言女王
(いわしろの むすべるまつに ふるゆきは はるも
とけずや あらんとすらん)
意味・・岩代の結び松に降る雪は、その名の通り結ばれた
まま、春になっても解けないのだろうか。
有間皇子が次の歌を詠んだか、皇子は処刑された
ので、再び見る事が出来ずに、結ばれたままとな
った。
盤代の 浜松が枝を 引き結び 真幸くあらば
また還り見む
注・・岩代=磐代。和歌山県日高郡南部町岩代。
結べる松=枝を引き結ばれた松。旅路の無事を願
うために行う。
作者・・中納言女王=ちゅうなごんのにょうおう。源式部。
生没年未詳。後三条院乳母。
また還り見む
注・・岩代=磐代。和歌山県日高郡南部町岩代。
結べる松=枝を引き結ばれた松。旅路の無事を願
うために行う。
作者・・中納言女王=ちゅうなごんのにょうおう。源式部。
生没年未詳。後三条院乳母。
出典・・金葉和歌集・286。
参考歌です。
盤代の 浜松が枝を 引き結び 真幸くあらば
また還り見む
有間皇子
(いわしろの はままつがえを ひきむすび まさきく
あらば またかえりみむ)
意味・・盤代の浜松の枝を結んで「幸い」を祈って行く
が、もし無事であった時には、再び帰ってこれ
を見よう。
有間皇子は反逆の罪で捕えられ、紀伊の地に
連行され尋問のうえ処刑されたが、この道中で
詠んだ歌です。
松の枝を引き結ぶのは、旅路などの無事を祈る
まじないです。
注・・盤代=和歌山県日高郡岩代の海岸の地名。
真幸(まさき)く=無事で(命が)あったなら。
出典・・万葉集・141。