子を守りて 終らむといふ 妻が言 身には沁みつつ
なぐさまなくに
明石海人
(こをもりて おわらんという つまがこと みには
しみつつ なぐさまなくに)
意味・・子を守りて終らむ----子供を守り育てて、私は
一生を終えます。再婚等も考えず、苦難に耐え、
苦難と闘って、あなたの愛の結晶を大事に育む
事を生きがいにしながら、私は生きていきます。
----と言ってくれる妻の言葉は、身体の中に沁
み入るように嬉しいが、また一方、心は慰めか
ねている・・・。
癩療養所からの退院は絶望の時、面会に来た妻
が里親から離婚をすすめられている事を知って
詠んだ歌です。
妻を心から愛しているのなら、妻を自由にして
やるべきではないか、自分への気兼ねを無くす
ためにも、自分がいなくなる事だと思うのだが、
面会に妻と一緒に来ている我が児を見ていると、
あどけなく花を摘んで遊んでいるわが児を見る
と、私が今死んだらこの児はどうするだろう。
自分の側にいるというただそれだけで、何の不
安もなく白い花を摘んでいるのだ。
作者・・明石海人=あかしかいと。1901~1939。37歳。
26歳の時に癩病の宣告を受ける。この時妻は25
歳、幼児が二人いた。長島愛生園で生涯を過ごす。
出典・・新万葉集・巻一。
なぐさまなくに
明石海人
(こをもりて おわらんという つまがこと みには
しみつつ なぐさまなくに)
意味・・子を守りて終らむ----子供を守り育てて、私は
一生を終えます。再婚等も考えず、苦難に耐え、
苦難と闘って、あなたの愛の結晶を大事に育む
事を生きがいにしながら、私は生きていきます。
----と言ってくれる妻の言葉は、身体の中に沁
み入るように嬉しいが、また一方、心は慰めか
ねている・・・。
癩療養所からの退院は絶望の時、面会に来た妻
が里親から離婚をすすめられている事を知って
詠んだ歌です。
妻を心から愛しているのなら、妻を自由にして
やるべきではないか、自分への気兼ねを無くす
ためにも、自分がいなくなる事だと思うのだが、
面会に妻と一緒に来ている我が児を見ていると、
あどけなく花を摘んで遊んでいるわが児を見る
と、私が今死んだらこの児はどうするだろう。
自分の側にいるというただそれだけで、何の不
安もなく白い花を摘んでいるのだ。
作者・・明石海人=あかしかいと。1901~1939。37歳。
26歳の時に癩病の宣告を受ける。この時妻は25
歳、幼児が二人いた。長島愛生園で生涯を過ごす。
出典・・新万葉集・巻一。