春のめだか 雛の足あと 山椒の実 それらのものの
一つか我が子
中城ふみ子 (乳房喪失)
(はるのめだか ひなのあしあと さんしょうのみ それらの
ものの ひとつかわがこ)
意味・・ほんのり赤く身を染めた小さな春のめだかは、小さ
いながら鋭く強い敏感な動きをみせて、水中に小気
味よい元気さを発散している。
また、親鶏の後を懸命について歩き、見よう見まね
で餌らしいものを見つけついばもうとするひよこの
姿も、生まれてすぐ、自力で餌を得なければならな
い厳しい定めを負ったけなげさを持っている。
ひよわに見えてもぴりっとした力を持っている点で
は、小さな山椒の実も同じだ。
それらのものに並べて我が子を置くと、幼い命は可
憐で頼りなげだが、弱いのではない。これからぐん
ぐん伸びてゆく力を秘めたけなげな幼い命なのだ。
作者・・中城ふみ子=なかじょふみこ。1922~1954。31歳。
東京家政学院卒。乳癌で亡くなる。
一つか我が子
中城ふみ子 (乳房喪失)
(はるのめだか ひなのあしあと さんしょうのみ それらの
ものの ひとつかわがこ)
意味・・ほんのり赤く身を染めた小さな春のめだかは、小さ
いながら鋭く強い敏感な動きをみせて、水中に小気
味よい元気さを発散している。
また、親鶏の後を懸命について歩き、見よう見まね
で餌らしいものを見つけついばもうとするひよこの
姿も、生まれてすぐ、自力で餌を得なければならな
い厳しい定めを負ったけなげさを持っている。
ひよわに見えてもぴりっとした力を持っている点で
は、小さな山椒の実も同じだ。
それらのものに並べて我が子を置くと、幼い命は可
憐で頼りなげだが、弱いのではない。これからぐん
ぐん伸びてゆく力を秘めたけなげな幼い命なのだ。
作者・・中城ふみ子=なかじょふみこ。1922~1954。31歳。
東京家政学院卒。乳癌で亡くなる。