親もなし 妻なし子なし 版木なし 金もなけれど
死にたくもなし
林 子平
(おやもなし つまなしこなし はんぎなし かねも
なけれど しにたくもなし)
意味・・私はもう高齢なので両親もいない。結婚もし
ていないので妻も子もいない。版木も没収さ
れて無いので収入が入らず金も無い。でも、
大きな夢があるので死にたくはない。
子平は高山彦九朗・蒲生君平と並んで「寛政
の三奇人」と呼ばれながら蘭学者と交際した。
国の将来を書いた本「三国通覧図説」「海国
兵談」を著す。これは、16巻三分冊の版木を
自分で彫ったもの。この二著は政府に意見を
したかどで、政府の言論統制にひっかかり、
版木が没収された。このため抗議の意味あい
でこの歌を詠んでいます。
注・・版木=木版に絵や文字を彫り木版印刷に使う。
作者・・林子平=はやししへい。1738~1793。経世家。
仙台藩士。表記の歌に「なし」が六つある
ので六無斎と号した。
出典・・赤瀬川原平著「辞世の言葉」。
死にたくもなし
林 子平
(おやもなし つまなしこなし はんぎなし かねも
なけれど しにたくもなし)
意味・・私はもう高齢なので両親もいない。結婚もし
ていないので妻も子もいない。版木も没収さ
れて無いので収入が入らず金も無い。でも、
大きな夢があるので死にたくはない。
子平は高山彦九朗・蒲生君平と並んで「寛政
の三奇人」と呼ばれながら蘭学者と交際した。
国の将来を書いた本「三国通覧図説」「海国
兵談」を著す。これは、16巻三分冊の版木を
自分で彫ったもの。この二著は政府に意見を
したかどで、政府の言論統制にひっかかり、
版木が没収された。このため抗議の意味あい
でこの歌を詠んでいます。
注・・版木=木版に絵や文字を彫り木版印刷に使う。
作者・・林子平=はやししへい。1738~1793。経世家。
仙台藩士。表記の歌に「なし」が六つある
ので六無斎と号した。
出典・・赤瀬川原平著「辞世の言葉」。