奥山に たぎりて落つる 滝つ瀬の 玉ちるばかり
物な思ひそ
貴船明神
(おくやまに たぎりておつる たきつせの たまちる
ばかり ものなおもいそ)
意味・・奥山で湧き返って流れ落ちるこの貴船川の激流
が玉となって散るように、そんなに魂が散り失
せるほど、物を思うのではないのだよ。
和泉式部が男に振られた時、貴船神社に参詣し、
みたらし川に蛍が飛んでいるのを見て詠んだ歌
の返歌です。
「物おもへば沢の蛍も我が身よりあくがれいづる
たまかとぞみる」 (後拾遺和歌集・1164)
(私があまりにも物を思っているので、貴船の清
流の上を沢山飛んでいる蛍も、私の体からふらふ
ら抜け出た魂のように思われます)
貴船明神は「あまり思いわずらわないで、身をいた
わりなさい」と慰めている。
注・・滝つ瀬=わきかえり流れる急流。
玉ちるばかり=激流のしぶきの玉が散るように。
魂が散り失せるように。
沢=水たまりの草の生えた低地をいうが、「多・
さわ(たくさん)」を掛ける。
あくがれ=憧がれ。上の空になる。
作者・・貴船明神=京都市左京区貴船町にある貴船神社の
神・祭主。
出典・・後拾遺和歌集・1165。
物な思ひそ
貴船明神
(おくやまに たぎりておつる たきつせの たまちる
ばかり ものなおもいそ)
意味・・奥山で湧き返って流れ落ちるこの貴船川の激流
が玉となって散るように、そんなに魂が散り失
せるほど、物を思うのではないのだよ。
和泉式部が男に振られた時、貴船神社に参詣し、
みたらし川に蛍が飛んでいるのを見て詠んだ歌
の返歌です。
「物おもへば沢の蛍も我が身よりあくがれいづる
たまかとぞみる」 (後拾遺和歌集・1164)
(私があまりにも物を思っているので、貴船の清
流の上を沢山飛んでいる蛍も、私の体からふらふ
ら抜け出た魂のように思われます)
貴船明神は「あまり思いわずらわないで、身をいた
わりなさい」と慰めている。
注・・滝つ瀬=わきかえり流れる急流。
玉ちるばかり=激流のしぶきの玉が散るように。
魂が散り失せるように。
沢=水たまりの草の生えた低地をいうが、「多・
さわ(たくさん)」を掛ける。
あくがれ=憧がれ。上の空になる。
作者・・貴船明神=京都市左京区貴船町にある貴船神社の
神・祭主。
出典・・後拾遺和歌集・1165。