名歌名句鑑賞

心に残る名言、名歌・名句鑑賞

2015年01月

 
**************** 名歌鑑賞 ***************
 
 
木の葉なき 空しき枝に 年暮れて また芽ぐむべき
春ぞ近づく     
                 京極為兼

(きのはなき むなしきえだに としくれて また
 めぐむべき はるぞちかづく)

意味・・木の葉が落ち尽くした何も無い枝に、一年
    が過ぎ去って、また新しい芽が生まれて来
    る春が近づいて来ている。

    一見枯れたかのような冬の木だが、再び春
    が巡ってくればまた新しい生命が萌える。
    その芽吹きの春も近づいて来ていると、春
    が早く来る事を期待して詠んでいます。

 注・・空しき=中に何にも無い。

作者・・京極為兼=きょうごくのためかね。1254
    ~1332。正二位権大納言。

出典・・玉葉和歌集・1022。
 

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  まぐまぐ大賞 アート・文芸部門 8位
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**************** 名歌鑑賞 ****************
 
 
昔とは 遠きをのみは 何かいはん 近き昨日も
けふはむかしを    
                 永福門院

(むかしとは とおきをのみは なにかいわん ちかき
 きのうも けふはむかしを)

意味・・昔というのは、遠い過去のことだけと、
    どうしていえようか。近い昨日にしても
    今日になってみれば過ぎ去ってしまった
    昔に変りはないのに。

    昨日が積もって遠い昔になる。

    蕪村の句、参考です。
    「遅き日のつもりて遠き昔かな」
        (意味は下記参照)

作者・・永福門院=えいふくもんいん。1271~13
    42。藤原実兼(さねかね・太政大臣)の娘。
    伏見天皇の中宮。

出典・・永福門院百番御歌合(岩波書店「中世和歌集
    ・鎌倉篇」)

参考句です。

遅き日の つもりて遠き むかしかな    
                    蕪村

(おそきひの つもりてとおき むかしかな)

意味・・日の暮れの遅い春の一日、自然と思いは過去に
    向う。昨日もこんな日があり、一昨日もこんな
    日であった。こんな風にして、過去の一日一日
    も過ぎていった。やがて来る残り少ない未来の
    ある一日も、このようにして昔となってゆくの
    だろう。

 注・・つもり=積り、一日一日が積って過去になる。

作者・与謝蕪村=1716~1783。池大雅と共に南宗画の
   大家。


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*************** 名歌鑑賞 *****************
 
 
栗原の あねはの松の 人ならば 都のつとに
いざといはましを
在原業平

(くりはらの あねはのまつの ひとならば みやこの
つとに いざと いわましを)

意味・・あの有名な栗原の姉葉の松が、もし人で
あったならば、帰京のみやげに、さあ一緒
にといって連れて行くのだがなあ。

昔、男が、陸奥国(みちのくに)に行った時
女性と親しくなり一夜を共にした。朝、男
が帰る時に詠んだ歌で、裏の意味「あなた
が人並みの女なら都に連れて行くんだが」
を理解せず、女は喜んで「やっぱりあの方
は私を愛してくれていたらしい」と言った
という話です。

注・・栗原のあねはの松=今の宮城県栗原郡沢辺村
姉葉にあった有名な松。
都のつと=都へのみやげ。


作者・・在原業平=ありわらのなりひら。825~880。
行平の異母弟。六歌仙の一人。「伊勢物語」。

出典・・伊勢物語・14段。


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*************** 名歌鑑賞 ****************
 
 
うちきらし さえし雪げに たち変わり のどかにかすむ
春の空かな
                   散逸物語

(うちきらし さえしゆきげに たちかわり のどかにかすむ
 はるのそらかな)

意味・・一面に曇り冷え込んだ雪模様とは打って変って、
    今日はのどかに霞む春空だ。

    病気の治癒、失敗の後の成功、失恋のあとに恋人が
    現れる・・。こんな時の嬉しい気持を詠んでいます。

注・・うちきらし=打ち霧らす、雪や霧などが空を曇らす。
    さえし=冴えし、ひどく冷え込む。

出典・・樋口芳麻呂著「王朝物語秀歌選」。


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一瀬には 千遍障らひ 逝く水の 後にもあはむ
今ならずとも
                大伴像見

(ひとせには ちたびさわらい ゆくみずの あとにも
 あわん いまならずとも)

意味・・一つの瀬で千遍も妨げられては砕け散って流れ
    行く水がやがて一つになるように、先々ではお
    逢いしましよう。今でなくても。

    お互いの事情で中々会えないが、障害を乗り越
    えていつかきっと逢って恋を成就させたいとい
    う願いを詠んでいます。

 瀬=渕に対して流れの浅いところ。

作者・・大伴像見=おおともかたみ。生没年未詳。772
    年従五位上になる。

出典・・万葉集・699。


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