**************** 名歌鑑賞 ***************
真木の屋に つもれる雪や 解けぬらん 雨に知られぬ
軒の玉水
軒の玉水
宗尊親王
(まきのやに つもれるゆきや とけぬらん あめに
(まきのやに つもれるゆきや とけぬらん あめに
しられぬ のきのたまみず)
意味・・真木の屋に積もった雪が解けたのだろうか、
意味・・真木の屋に積もった雪が解けたのだろうか、
雨では見られない玉のような雫が軒から落ち
ている。
参考歌です。
「山深み春とも知らぬ松の戸にたえだえかかる
雪の玉水」 (意味は下記参照)
注・・真木の屋=杉や檜の皮で屋根を葺(ふ)いた家。
作者・・宗尊親王=むねたかしんのう。1242~1275。
作者・・宗尊親王=むねたかしんのう。1242~1275。
33歳。後嵯峨天皇の第二皇子。鎌倉幕府の第
六代将軍。
出典・・文応三百首(岩波書店「中世和歌集・鎌倉篇」)
出典・・文応三百首(岩波書店「中世和歌集・鎌倉篇」)
参考歌です。
山深み 春とも知らぬ 松の戸に たえだえかかる
山深み 春とも知らぬ 松の戸に たえだえかかる
雪の玉水
式子内親王
(やまふかみ はるともしらぬ まつのとに たえだえ
(やまふかみ はるともしらぬ まつのとに たえだえ
かかる ゆきのたまみず)
意味・・山が深いので、春になったとも知らない山家
意味・・山が深いので、春になったとも知らない山家
(やまが)の松で作った戸に、とぎれとぎれに
雪どけの玉のように美しい滴(したた)りが落
ちかかっている。
しんと静まった風景の中で滴りの音だけがする。
このことより、深山の雪に埋もれた山荘にも、
かすかな春の訪れが来た事を詠んでいます。
注・・松の戸=松の枝や板でを編んで作った粗末な戸。
たえだえに=とぎれとぎれに。
作者・・式子内親王=しょくしないしんのう。1149 ~
作者・・式子内親王=しょくしないしんのう。1149 ~
1201。後白河院の皇女。
出典・・新古今和歌集・3。
出典・・新古今和歌集・3。