変わらざりけり
白河院
(われのみぞ ありしにもあらず なりにけり はなは
みしよに かわらざりけり)
意味・・私だけが以前と違う境涯となってしまった。
が、花は帝位にあって見た昔と変わらぬ美
しさだ。
「加茂川の水、双六の賽、三蔵法師、これぞ
我が心にかなわぬもの」と嘆き、その権威を
誇った白河院であるが、今はこのような実力
が無くなり、また体力の衰えの寂しさも詠ん
でいます。
注・・ありし=以前の(姿)、昔の(境遇)。
作者・・白河院=しらかわいん。1053~1129。72代
出典・・風葉和歌集・74。