****************** 名歌鑑賞 ******************
うらうらに 照れる春日に ひばりあがり 心悲しも
ひとりし思へば
大伴家持
(うらうらに てれるはるひに ひばりあがり こころ
かなしも ひとりしおもえば)
ひとりし思へば
大伴家持
(うらうらに てれるはるひに ひばりあがり こころ
かなしも ひとりしおもえば)
意味・・うららかに陽射しは輝き、ひばりが空高く舞い上がって
いる。そんな陽気な春のただ中にあっても、私の心はひ
たすらに悲しい。たった一人で物思いにふけっていると。
いる。そんな陽気な春のただ中にあっても、私の心はひ
たすらに悲しい。たった一人で物思いにふけっていると。
心地よい春になったのに憂鬱な気持ちが去らない事を詠
んでいます。その憂鬱は、古来からの権門である大伴氏
に生まれながら、藤原氏の台頭により朝廷での地位が振
るわない事に起因している、と解釈されています。
んでいます。その憂鬱は、古来からの権門である大伴氏
に生まれながら、藤原氏の台頭により朝廷での地位が振
るわない事に起因している、と解釈されています。
注・・うらうらに=のどやかに。
ひとりし=「し」は上接する語を強調する副助詞。
作者・・大伴家持=おおとものやかもち。718~785。少納言。
大伴旅人の長男。「万葉集」の編纂に携わる。
出典・・万葉集・4292。
大伴旅人の長男。「万葉集」の編纂に携わる。
出典・・万葉集・4292。