*************** 名歌鑑賞 ****************
生まれては 死ぬことわりを 示すてふ 紗羅の木の花
うつくしきかも
天田愚庵
うつくしきかも
天田愚庵
(うまれては しぬことわりを しめすちょう しゃらの
きのはな うつくしきかも)
きのはな うつくしきかも)
意味・・朝咲いて夕べには散るという紗羅の木の花。これ
は、生あるものは必ず滅するという道理を示して
いるという。短い時間の間に力一杯花を咲かせて
ている紗羅の木、この花はなんと美しくまたあわ
れなことだろう。
は、生あるものは必ず滅するという道理を示して
いるという。短い時間の間に力一杯花を咲かせて
ている紗羅の木、この花はなんと美しくまたあわ
れなことだろう。
平家物語の序、参考です。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
紗羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす。
おこごれる人も久しからず。ただ春の夢のごとし。
たけき者もつひには滅びぬ。ひとへに風の前の塵に
同じ。・・・。
紗羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす。
おこごれる人も久しからず。ただ春の夢のごとし。
たけき者もつひには滅びぬ。ひとへに風の前の塵に
同じ。・・・。
祇園精舎という寺の鐘の音は、「諸行無常」(万物は
たえず変化してゆく)という道理を示す響きがあり、
紗羅双樹の花の色は、「盛んな者は必ず衰える」と
いう理法を表している。この鐘の音や花の色が示す
とおり、おごりたかぶっている者も、久しくその地
位を保つ事が出来ない。それはちょうど、さめやす
い春の夜の夢のようである。勢いの盛んな者も、結
局は滅びてしまう。それは全く、たちまち吹き飛ば
されてしまう風前の塵のようなものである。・・・。
注・・紗羅の木=二葉柿科の大木。初夏に白い花をい
っぱい咲かせる。花は朝咲いて一夜明ければ
散っている。
たえず変化してゆく)という道理を示す響きがあり、
紗羅双樹の花の色は、「盛んな者は必ず衰える」と
いう理法を表している。この鐘の音や花の色が示す
とおり、おごりたかぶっている者も、久しくその地
位を保つ事が出来ない。それはちょうど、さめやす
い春の夜の夢のようである。勢いの盛んな者も、結
局は滅びてしまう。それは全く、たちまち吹き飛ば
されてしまう風前の塵のようなものである。・・・。
注・・紗羅の木=二葉柿科の大木。初夏に白い花をい
っぱい咲かせる。花は朝咲いて一夜明ければ
散っている。
作者・・天田愚庵=あまだぐあん。1854~1905。禅僧。
清水次郎長の養子となる。
出典・・愚庵全集(前川佐美雄著「秀歌十二月」)
清水次郎長の養子となる。
出典・・愚庵全集(前川佐美雄著「秀歌十二月」)