**************** 名歌鑑賞 *************
明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほうらめしき
朝ぼらけかな
藤原道信
(あけぬれば くるるものとは しりながら なお
うらめしき あさぼらけかな)
朝ぼらけかな
藤原道信
(あけぬれば くるるものとは しりながら なお
うらめしき あさぼらけかな)
意味・・夜が明けてしまうと、やがて日は暮れるもの、
そして、再びあなたに逢えるとは分かってい
ますけれど、それでもやはり、恨めしく思う
夜明けですよ。
そして、再びあなたに逢えるとは分かってい
ますけれど、それでもやはり、恨めしく思う
夜明けですよ。
当時の習俗は通い婚であったので、夫は日暮
時に妻の家に通い、夜明け方立ち去っていた。
時に妻の家に通い、夜明け方立ち去っていた。
注・・明けぬれば=夜が明けてしまうと。男は日暮
時に女のもとを訪れ、夜明けには立ち去ら
なければならないのが、当時の習わしであ
った。
朝ぼらけ=あたりがほのぼのと明るくなった
頃。男が女のもとを立ち去る時分。
時に女のもとを訪れ、夜明けには立ち去ら
なければならないのが、当時の習わしであ
った。
朝ぼらけ=あたりがほのぼのと明るくなった
頃。男が女のもとを立ち去る時分。
作者・・藤原道信=ふじわらのみちのぶ。972~994。
23歳。左近中将従四位。三十六歌仙の一人。
23歳。左近中将従四位。三十六歌仙の一人。
出典・・後拾遺和歌集・672、百人一首・52。