*************** 名歌鑑賞 **************
訪ふ人も 嵐吹きそふ 秋は来て 木の葉に埋む
宿の道芝
藤原俊成女
宿の道芝
藤原俊成女
(とうひとも あらしふきそう あきはきて このはに
うずむ やどのしばみち)
うずむ やどのしばみち)
意味・・もはや訪ねる人もあるまい。ただでさえ寂し
い上に嵐が吹く秋になって、私の家の道芝は
木の葉に埋もれてしまった。
い上に嵐が吹く秋になって、私の家の道芝は
木の葉に埋もれてしまった。
家の道芝はかって恋人が踏み分けて通って来
たのだが、その道芝も木の葉に埋もれて見え
ない。その上吹きすさむ秋風は、人を待つ望
みも消えてたたずむ女の侘びしさ、哀しみを
深めている。
たのだが、その道芝も木の葉に埋もれて見え
ない。その上吹きすさむ秋風は、人を待つ望
みも消えてたたずむ女の侘びしさ、哀しみを
深めている。
注・・嵐=「有らじ」と「荒い風」の意と、「あら
し」を掛ける。
あらし=気性や態度が荒っぽい。ここでは恋
人の冷たい仕打ちの意。
吹きそふ=一段と吹き加わって。
あき=「秋」と「飽き」を掛ける。
道芝=道端に生えている芝草。
し」を掛ける。
あらし=気性や態度が荒っぽい。ここでは恋
人の冷たい仕打ちの意。
吹きそふ=一段と吹き加わって。
あき=「秋」と「飽き」を掛ける。
道芝=道端に生えている芝草。
作者・・藤原俊成女=ふじわらのとしなりのむすめ。
1171~1252。幼少より祖父俊成に養育され
た。
1171~1252。幼少より祖父俊成に養育され
た。
出典・・新古今和歌集・515。