***************** 名歌鑑賞 ***************
春芽吹く 樹林の枝々 くぐりゆき われは愛する
言い訳をせず
中城ふみ子
言い訳をせず
中城ふみ子
(はるめぶく じゅりんのえだえだ くぐりゆき われは
あいする いいわけをせず)
あいする いいわけをせず)
意味・・春に芽吹く樹木に理由なんてない。なぜ自分は
芽吹くのかなんて考えたりしない。自然の摂理
のままに生きる彼らと同じように、私は私の愛
を生きる・・。私は理由なんか考えない。愛し
ているという思いに、ただ忠実に生きるだけだ。
芽吹くのかなんて考えたりしない。自然の摂理
のままに生きる彼らと同じように、私は私の愛
を生きる・・。私は理由なんか考えない。愛し
ているという思いに、ただ忠実に生きるだけだ。
夫と離婚したあと、妻ある人との恋愛や年下の
人との恋愛・・。ふつう「言い訳」というと、
他者への弁明といったニュウアンスがある。が、
この歌では、他者よりもむしろ自分自身に対して、
いい訳はしない、ということなのだろう。
人との恋愛・・。ふつう「言い訳」というと、
他者への弁明といったニュウアンスがある。が、
この歌では、他者よりもむしろ自分自身に対して、
いい訳はしない、ということなのだろう。
作者・・中城ふみ子=なかじょうふみこ。1922~1954。
32才。30才で乳癌の手術を受け乳房を切除。
その翌年再発して亡くなる。
32才。30才で乳癌の手術を受け乳房を切除。
その翌年再発して亡くなる。
出典・・歌集「乳房喪失」。