**************** 名歌鑑賞 ****************
藤波の 花は盛りに なりにけり 奈良の都を
思ほすや君
大伴四綱
思ほすや君
大伴四綱
(ふじなみの はなはさかりに なりにけり ならの
みやこを おもおすやきみ)
みやこを おもおすやきみ)
意味・・ここでは藤の花が満開になりました。奈良の都を
懐かしんでいらっしゃいますか、あなたも。
懐かしんでいらっしゃいますか、あなたも。
大宰府の長官である大伴旅人に歌いかけたもので
す。美しく咲いた藤の花を見て、
す。美しく咲いた藤の花を見て、
「あおによし奈良の都は 咲く花のにほふがごとく
今盛りなり」の奈良の都を思い出しています。
(奈良の都は、咲いている花が色美しく映えるよう
に、今や真っ盛りである)
に、今や真っ盛りである)
注・・藤波=藤の花。花房を波に見立てた語。
作者・・大伴四綱=おおとものよつな。生没年未詳。大宰
府の防人司の長官。
作者・・大伴四綱=おおとものよつな。生没年未詳。大宰
府の防人司の長官。
出典・・万葉集・330。