***************** 名歌鑑賞 ****************
うつせみの 世やも二行く 何すとか 妹にも逢はずて
我がひとり寝む
大伴家持
我がひとり寝む
大伴家持
(うつせみの よやもふたゆく なにすとか いもにも
あわずて あがひとりねん)
あわずて あがひとりねん)
意味・・この現実の世がもう一度繰り返される事があろ
うか。それなのに、このかけがえのない夜を、
あなたに逢わないで、寂しく、ひとり寝が出来
ようか。
出来ない、あなたに是非逢いたい。
うか。それなのに、このかけがえのない夜を、
あなたに逢わないで、寂しく、ひとり寝が出来
ようか。
出来ない、あなたに是非逢いたい。
大伴家持が恋人の大伴坂上大嬢(おおとものさか
のうえのいらつめ)にあてた恋の歌です。
のうえのいらつめ)にあてた恋の歌です。
人は死に、二度とは生き返らない。人生は一度き
り、二度と再生はきかない。このかけがえのない
人生。あなたと楽しい人生を送りたい。
り、二度と再生はきかない。このかけがえのない
人生。あなたと楽しい人生を送りたい。
兼好法師の言葉、参考です。
「存命の喜び、日々楽しまざるべけんや 」
(いのち長らえている事の喜びを、日々かみしめて
楽しく生きていこう。そうしないでいいものか。)
楽しく生きていこう。そうしないでいいものか。)
注・・うつせみの=世にかかる枕詞。現世。現実の。
やも=反語。
二行(ふたゆ)く=繰り返される事。
うつせみの世やも二行く=この現実の世の中がも
う一度繰り返される事があろうか。人生は二度
あるわけではない。
何すとか=どうして。反語の意を表す。
やも=反語。
二行(ふたゆ)く=繰り返される事。
うつせみの世やも二行く=この現実の世の中がも
う一度繰り返される事があろうか。人生は二度
あるわけではない。
何すとか=どうして。反語の意を表す。
作者・・大伴家持=おおとものやかもち。718~785。大
伴旅人の長男。少納言。万葉集の編纂をする。
出典・・万葉集・733。