**************** 名歌鑑賞 ****************
早生りの 津軽のりんご かたく酸し 噛みて亡き吾娘の
ごとしと思ふ
五島茂
ごとしと思ふ
五島茂
(はやなりの つがるのりんご かたくすゆし かみて
なきあこの ごとしとおもう)
なきあこの ごとしとおもう)
意味・・秋を待って成熟するりんごではなく、早生り種
の津軽りんごは硬く酸っぱい。このりんごを噛
んで食べていると、この味は、早く亡くなった
我が娘が思い出されてくる。一人の人間として
人生的にも未熟であったのが、父として傷まし
い。せめて一人前になるまで、生きていてほし
かった。
の津軽りんごは硬く酸っぱい。このりんごを噛
んで食べていると、この味は、早く亡くなった
我が娘が思い出されてくる。一人の人間として
人生的にも未熟であったのが、父として傷まし
い。せめて一人前になるまで、生きていてほし
かった。
東大在学中に亡くなった娘が亡くなって半年後
に詠んだ歌です。
に詠んだ歌です。
注・・早生りの津軽のりんご=8月下旬から9月中旬に収
穫される。硬い味と少し酸い味がある。
穫される。硬い味と少し酸い味がある。
作者・・五島茂=ごとしげる。1900~2003。東大経済学
部卒。明大教授。経済学博士。
部卒。明大教授。経済学博士。
出典・・五島茂歌集(窪田章一郎編「現代短歌鑑賞辞典」)。