*************** 名歌鑑賞 ****************
むば玉の 今宵ばかりぞ あけ衣 明けなば人を
よそにこそ見め
藤原兼輔
よそにこそ見め
藤原兼輔
(むばたまの こよいばかりぞ あけごろも あけなば
ひとを よそにこそみめ)
ひとを よそにこそみめ)
意味・・今宵だけは緋(あけ)の衣(五位)になったあなた
と共に酒も飲めますが、一夜明ければよその人
としてあなたを見ることになるでしょう。
と共に酒も飲めますが、一夜明ければよその人
としてあなたを見ることになるでしょう。
お祝いの席で詠んだ歌です。
出世した同僚に対して、明日からは上司として
のお付き合いになります、という気持ちを詠ん
でいます。
のお付き合いになります、という気持ちを詠ん
でいます。
注・・むば玉の=ぬばたまの。黒、闇、宵などの枕詞。
あけ衣=緋衣。緋色の制服。平安時代は五位の
官人が着た。
あけ衣=緋衣。緋色の制服。平安時代は五位の
官人が着た。
作者・・藤原兼輔=ふじわらのかねすけ。877~933。
紫式部の曽祖父。10世紀の歌壇の中心的存在。
紫式部の曽祖父。10世紀の歌壇の中心的存在。
出典・・後撰和歌集・1116。