からすめは此の里過ぎよほとどぎす
西鶴
(からすめは このさとすぎよ ほとどぎす)
意味・・ほとどぎすの声をうるさいと歌った有名人が
いるが、私はそうではない。カラスのやつの
ほうがよほどうるさいのだ。カラスめが群れ
て汚い声で鳴きたてるので、早々に此の里か
らどこかへ行ってくれ。お前らがやかましく
て、ほとどぎすが来ない。私はほとどぎすの
声が聞きたいのだ。
いるが、私はそうではない。カラスのやつの
ほうがよほどうるさいのだ。カラスめが群れ
て汚い声で鳴きたてるので、早々に此の里か
らどこかへ行ってくれ。お前らがやかましく
て、ほとどぎすが来ない。私はほとどぎすの
声が聞きたいのだ。
山崎宗鑑の歌「かしましやこの里過ぎよ郭公
都のうつけさこそ待つらん」を逆に郭公の声
を待ち焦がれるとした句で、そこにカラスの
声を持って来た所に面白さがあります。
(歌の意味は下記参照)
都のうつけさこそ待つらん」を逆に郭公の声
を待ち焦がれるとした句で、そこにカラスの
声を持って来た所に面白さがあります。
(歌の意味は下記参照)
作者・・西鶴=さいかく。1642~1693。井原西鶴。
西山宗因に師事。談林派の代表作者。
西山宗因に師事。談林派の代表作者。
参照歌です
かしましや この里過ぎよ 郭公 都のうつけ
さこそ待つらん
山崎宗鑑
さこそ待つらん
山崎宗鑑
(かしましや このさとすぎよ ほとどぎす みやこの
うつけ さこそまつらん)
うつけ さこそまつらん)
意味・・郭公があまり鳴くのでうるさい、私はもう沢山
だから、さっさとこの里から飛び去ってくれ。
京都では馬鹿な連中がお前の声が聞きたくて、
さぞ待ち焦がれているだろうから、都へ行った
方がいいぞ。
だから、さっさとこの里から飛び去ってくれ。
京都では馬鹿な連中がお前の声が聞きたくて、
さぞ待ち焦がれているだろうから、都へ行った
方がいいぞ。
都の風流人が郭公の声を珍重したのを、宗鑑は
わざとこのように詠んだ歌です。
わざとこのように詠んだ歌です。
注・・うつけ=虚け、まぬけ、ばか。
さこそ=然こそ、そのように、さだめし。
さこそ=然こそ、そのように、さだめし。
作者・・山崎宗鑑=やまさざきそうかん。1465~1554。戦国
時代の連歌師・俳諧師。
時代の連歌師・俳諧師。