後供は 霞引きけり 加賀の守
小林一茶
(あとどもは かすみひきけり かがのかみ)
意味・・加賀守の百万石の威容を整えた大名行列が
通っている。それは先払いの制止に続いて、
先箱・先槍・弓・鉄砲・お籠に徒歩(かち)
の供ぞろいを従えて、人数は数百人、長さ
は堂々数丁(数百メートル)に及び行列の後
尾ははるかかなたにあって、霞にまぎれて
いる。
参勤交代の威容を賛美するとともに、行列
の長さを驚きの目で見ています。また「後
供」で、参勤交代のばからしさを皮肉ぽい
目線でこれを眺めているようにも思います。
注・・後供=従者、下っ端の者。
加賀の守=石川県加賀藩百万石で前田候。
家祖は五大家老の一人、前田利家。
出典・・八番日記。