おほかたの 秋来るからに わが身こそ かなしき
ものと 思ひ知りぬれ             
                   詠人知らず
                 
(おおかたの あきくるからに わがみこそ かなしき
 ものと おもいしりぬれ)

意味・・誰の上にも来る秋が来ただけなのに、私の
    身の上こそ誰にもまして悲しい事だと思わ
    れて来る。

    実りの秋、収穫の秋、清々しく気持ちの良
    い秋のはずなのだが。主役を終え一線を退
    いた者にしては、草木が枯れ始め寂しく、
    また厳しい冬が近づく事が、自分の身体に
    あわさって悲しく感じて来るのだろうか。

 注・・おほかた=世間一般。普通であること。
    わが身こそ=私の身の上こそ。「こそ」は
    「おほかた」の人の中でも自分一人が特に。

 出典・・古今和歌集・185。