命にも まさりて惜しく あるものは 見果てぬ夢の
覚むるなりけり
壬生忠岑
(いのちにも まさりておしく あるものは みはてぬ
ゆめの さむるなりけり)
ゆめの さむるなりけり)
意味・・命は惜しいものであるが、それにもまして
惜しいのは、思う人との楽しい逢瀬の夢を
おしまいまで見ないうちに、それが覚めて
しまうことであった。
惜しいのは、思う人との楽しい逢瀬の夢を
おしまいまで見ないうちに、それが覚めて
しまうことであった。
詞書に「昔、ものなど言ひ侍りし女の亡く
なりしが、夢に暁がたに見えて侍りしを、
え見はてで覚め侍りにしかば」とあります。
なりしが、夢に暁がたに見えて侍りしを、
え見はてで覚め侍りにしかば」とあります。
愛人の夢は惜しいが、ことに今は亡き昔の
愛人で、その思いも強かったことでしょう。
愛人で、その思いも強かったことでしょう。
作者・・壬生忠岑=みぶのただみね。生没年未詳。
従五位下。古今集撰者の一人。
従五位下。古今集撰者の一人。
出典・・古今和歌集・609。
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