勢田の橋 その人とほく 去りて後 すてし扇を
見ほしがるかな 
                  橘曙覧

(せたのはし そのひととおく さりてのち すてし
 おうぎを みほしがるかな)

意味・・売れ残った扇は勢田の橋で捨てていたという池
    大雅が亡くなった後、その人の絵の価値を知っ
    た世の中の人は残念がって欲しがることだ。

   「池大雅」の題で詠んでいます。池大雅は南画の
    大家で、逸事奇聞が多く、売れ残った扇の画は
    瀬田の橋で捨てたという語り伝えが有ります。

作者・・橘曙覧=たちばなあけみ。1812~1868。紙商
    の家業を異母弟に譲り隠棲。福井藩主から厚遇
    された。

出典・・岩波文庫「橘曙覧全歌集」。