鏡にぞ 心は似たる しかはあれど 鏡は影を
とどめやはする
                   小沢蘆庵
        
(かがみにぞ こころはにたる しかはあれど かがみは
 かげを とどめやはする)

意味・・人の心は鏡に似るとよく譬えられる。人の顔は人
    の心をよく映すからだが、鏡は影を留めるだろう
    か。人がその前から去ればその影を留めないので
    ある。

    しかし人は違う。悲しみは悲しみを留め、特に恨
    みや憎しみは長く長く心に持ち続けるのである。
    鏡のようにありたいものだ。

作者・・小沢蘆庵=おざわろあん。1723~1801。漢学に
    優れ、管茶山・頼山陽らと交流。