冬の夜の いくたびばかり ね覚めして 物おもふ宿の
ひましらむらん
                   増基法師 

(ふゆのよの いくたびばかり ねざめして ものおもう
 やどの ひましらむらん)

意味・・この冬の夜寒にいったい何べんほど目が覚めたら、
    物思いをして熟睡出来ないでいる、私の住まいの
    板戸の隙間が白んで夜が明けるというのであろう
    かなあ。

        悩み事が気になって眠られない状態を詠んでいま 
    す。

 注・・宿のひま=我が家の板戸の隙間。
    しらむ=夜が明けて白む。

作者・・増基法師=ぞうきほうし。伝未詳。