もののふの 八十宇治川の 網代木に いさよふ波の
ゆくへ知らずも
柿本人麻呂
(もののうの やそうじがわの あじろぎに いさよう
なみの ゆくえしらずも)
なみの ゆくえしらずも)
詞書・・近江の荒れた都を過ぎる時に詠んだ歌。
意味・・宇治川の網代木にしばしとどこおるかに
見える波、この波は一体どこへ流れ去っ
てしまうのであろう。
見える波、この波は一体どこへ流れ去っ
てしまうのであろう。
波の行方に人の世の無常感(物事は生滅変
転すること)を詠んだ歌です。戦火で荒廃
した都の行方はどうなるのだろうかの意。
転すること)を詠んだ歌です。戦火で荒廃
した都の行方はどうなるのだろうかの意。
注・・近江の荒れた都=天智天皇の近江の大津の
宮の廃墟。壬申(じんしん)の乱(672年)
の戦火で焼かれ廃墟になった。
もののふの八十=「宇治」を起す序。「八十
氏」の枕詞。「もののふは」文武百官。
多くの氏族に分かれている意。
網代木=魚を取る網代を設ける場所に並べ打
った棒杭。
いさよふ=移動しかねて同じ所にただよう。
宮の廃墟。壬申(じんしん)の乱(672年)
の戦火で焼かれ廃墟になった。
もののふの八十=「宇治」を起す序。「八十
氏」の枕詞。「もののふは」文武百官。
多くの氏族に分かれている意。
網代木=魚を取る網代を設ける場所に並べ打
った棒杭。
いさよふ=移動しかねて同じ所にただよう。
作者・・柿本人麻呂=七世紀後半から八世紀初頭の人。
万葉時代の最大の歌人。
出典・・万葉集・264、新古今和歌集・1650。
万葉時代の最大の歌人。
出典・・万葉集・264、新古今和歌集・1650。
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